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漫画家「なかせよしみ」がちょっとまとまった文章を公開するためのブログ

第16回いっせい配信企画「創作同人2021年7月」

第16回いっせい配信

2021年7月22日海の日)に創作同人電子書籍の第16回「いっせい配信企画」=イベント名「創作同人2021年7月」が実施されます。この企画は配信する電子書籍ストアを問わず、作品を自主配信してる作家さんが配信日を揃えて、配信情報を互いに広め合うオンラインのイベントです。

 

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配信日にあわせて7月20日の現時点で9人の作家さんによる20作品の予約購入および購入用チェック(「お気に入り」指定)が可能です。 

「いっせい配信」企画は配信日より1〜2日の誤差内の期間(7月20日〜24日)は随時「飛び入り」可能です。興味のある作家さんは企画サイトをご覧ください。 

「まるかふぇ電書」の新刊は4冊

私(なかせよしみ)と砂虫さんの本を配信する「まるかふぇ電書」は今回計4冊の本を配信します。

 

成人向け作品に挑戦

今回の私の配信に「成人向け」作品が含まれていることに驚かれている方もいるのではないかと思います。実はエロをテーマにした成人向け作品を本格的に手がけるのはほぼ初めてです。

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以前より電子作品の自主配信をする作家は「全年齢向け」をやる場合と「成人向け」をやる場合で「見える風景がだいぶ違う」のではないか、という印象がありました。双方を実際にやってみないことには現在の「電子自主配信」の実情はつかめないと、思い切って未踏の領域に踏み入れた次第です。

ただし、やるからには、いい加減な作品でお茶を濁すつもりはありません。ちゃんと「成人向けエロ作品」として需要を満たしつつ、自分の作品としての独自性が見せるものを狙いました。

普段の全年齢向け作品とは大きく勝手が違い、製作には時間がかかり、この方面に関しての自分の至らなさを痛感しつつの完成となりましたが、とりあえず、今の自分の力量いっぱいのものはできたと思っています。
年齢制限を超えてられている方は、ぜひご購読をお願いします。 

マンガ図書館ZBCCKSの活用

3月の「いっせい配信」以降の私の電子配信活動の近況を記しておこうと思います。

まず配信中の電子書籍の数点をマンガ図書館Zに登録してみました。
マンガ図書館Zは基本的には「廃刊になった商業単行本を電子化」するサイトで、読者は無料購読もしくはPDFファイルの購入でダウンロードができます。作家は読者によるPDFデータの購入代金もしくは無料購読した際に表示される広告料を得られます。もはや出版業では利益を出しにくい過去の資産を再びマネタイズの舞台に載せることが目的のサイトです。

このサイトではまた、商業単行本を出していない作家も自作品を直接投稿して掲載することができます。こちらはPDFデータの販売はできませんが無料購読時の広告収入の方は得られます。簡単に言うと「誰でも購読収入が得られる漫画投稿サイト」としても機能します。

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私もこの直接投稿枠に電子書籍で配信している初期の作品をいくつか載せてみました。すると一ヶ月で総計1000以上の閲覧を得られたので、収入の方もちょっと期待しました。しかし、2ヶ月後に計上された広告料の分配金は100円足らず。同様に無料購読で作品を発表して分配金を得られる「Kindle無料マンガ」に比べると購読数に対する収入はかなり少ない。

Kindleの無料マンガで「納得のいく収入を得る」のはなかなか難しいですが、マンガ図書館Zでは更に輪をかけて難しいのでは…?と思いました。

もう一つ最近試した電子配信活動はBCCKS
作家が「自身の手で作品を登録して販売」できる電子書籍&電子配信のストアは「全部で14個ある」ととらえている私ですが、いままで活用していたのは13ストアで、唯一このBCCKSだけを使ってませんでした。

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使ってみてわかったのは書籍のデータを登録するシステムの「クセが強い」こと。基本的にBCCKS側が用意した本の体裁の「台紙」に作品データや情報を落とし込むことで書籍を作成します。慣れると要領がつかめますが、自由な書籍構成はできません。特に困ったのは本の縦横比がいくつかの選択肢から選ぶしかなく、余った余白は一色選んだのベタ塗りを入れて体裁を整えるくらいしかないことでした。

他に気づいたBCCKSの特筆すべき仕様は次の3つ。
1. 書籍販売時の最低価格は220円(無料本の登録は可能)
2.無料でのBCCKS利用で登録できる書籍数は50冊
3.毎月540円を払うと登録できる書籍数は300冊

無料で使っていた私は実は上限50冊に達してはじめて上限に気づきました。とりあえず、ストアに書籍登録するのに費用をかけたくない私はこの時点で新たな登録をやめましたが、以降このストアをどのように使うかを今も思案中です。