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漫画家「なかせよしみ」がちょっとまとまった文章を公開するためのブログ

第10回いっせい配信企画「創作同人2019年7月」

10回目の開催

また電子書籍の配信告知ですが、7月15日(海の日)に創作同人電子書籍の第10回いっせい配信企画「創作同人2019年7月」が実施されます。この企画は作品を出版社は通さず作家さん自身が主体となって電子書籍を配信する際、必要な広報活動を企画参加作家全員で補助しあい、拡散力を高めることが目的のオンラインイベントです。  

電子書籍をどのストアに配信するかは各々の作家さんの自由。今回も多くの作家さんがBOOK☆WALKERAmazon Kindle楽天KoboApple iBooksDlsiteメロンブックスPixiv BOOTHその他の電子書籍ストアで配信開始されます。 

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第10回は上記の「看板娘(きんどるちゃん)」のイラストでチラシをカラー印刷し、MGM2.0、名古屋コミティア、東京コミティア、関西コミティア、北海道コミティア、新潟コミティアのチラシ置き場などに置かせていただきました。

 現時点では24人の作家さんによる39作品が企画あわせで配信手続きがされすでに予約購入が可能です。 

 

 

「まるかふぇ電書」の本

うちの「まるかふぇ電書」からは5冊の本が7月15日に「創作同人2019年7月」エントリーで配信されます。

 以前より用いていた電子書籍ストア「ぱぶー」が9月に閉鎖なので、今回より配信先にBOOTHとDLsiteを加えました。

ただ、実は不慣れでDLsiteでは砂虫さんの「となりのひと」の登録を失敗し、書籍が7月6日に販売されてしまいました。6名ほどの読者が購入しましたが、誤りに気付いて私はあわてて配信を停止、15日に再開されるように手配しました。

そんなわけで、「となりのひと」については現在DLsiteのボタンを押しても「データはありません」のエラー画面しか出ません。でも、7月15日からはそのボタンのリンクがDLsite内の販売ページにつながりますので、そちらで購入予定の方は当日までお待ち下さい。

 

最近の電子書籍「自主配信」状況

BOOK☆WALKERの新機能

以前よりBOOK☆WALKERは「いっせい配信企画」と密に連携をとってくださってます。先日、新たに「イベントタグの自動追加機能」が使用できるようになりましたが、ありがたいことにイベントリストに「いっせい配信」入れていただきました。「第10回」からは作品登録時にラジオボタンを選択すると「創作同人2019年7月」のタグが自動的に添付されます。

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 ただ、企画参加する際のルールとして「タグをつける」以外に「内容説明」に『「創作同人2019年7月」参加作品』の表記を入れる必要もあるので、この機能には頼りすぎないよう注意ねがいます。

 

BOOTHで「予約販売」の画面を出す裏技

多くの電子書籍ストアでは書籍の配信開始前の商品を紹介し、本に興味を持った読者は先に代金を払って(あるいは払う手続きを済ませておいて)配信日に作品を入手できる「予約販売」の機能を持っています。

BOOTHは配信登録すればすぐ販売が開始されるストアです。しかし、実は裏技として「予約販売」を出すことができます。これは以前、私が「ぱぶー」で使っていた裏技でしたが…配信日前は「サンプルページ」のみが含まれたデータしか登録しない、という方法です。

配信日の当日に登録されているデータを本来売るものに差し替えればOK。配信日前にサンプルを買った人も自動的に配信日以降は完成したデータを入手できるようになります。もちろん、買う側にそういう意図の販売であることを伝える必要があるので、BOOTHの登録時には↓このような記述を加えます。

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そうすればBOOTH画面はこのような↓表示になり、買う側も理解するはずです。

 

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この「予約販売」登録を早い目に済ましておけば、配信当日は「注意書き」を消去して登録ファイルを差し替えるだけなので、大変お手軽です。

 

「インディーズ無料マンガ」の分担金はいつまで?

2月の中旬に「Kindleインディーズ無料マンガ」に2019年分の基金を5000万円の基金を用意して毎月500万円分配をアナウンスしたamazonですが、6月に基金を6500万円に分配金を600万円分配に増額したと再びアナウンス。さしあたって2019年の12月頃までは分配がつづく見通しとなりました。

もともとAmazonKindle電子書籍の配信事業のトップランナー。作品の自主配信をする作家さんにとっても無視できないストアでした。ただ、まずストアごとに「売れる本」と「売れない本」が若干違うものの、実際に売ってみないことにはわからない。なので、どんな本もなるべくいろんなストアで売りたいものです。

でも、Kindleで専売をする場合はロイヤリティは70%、他ストアとの併売なら35%と大きな開きがあります。加えて、Kindle専売の本は読者が毎月定額を払えば好きなだけ読み放題のUnlimitedに参入することもでき、読まれた時に基金から支払われる講読料の収入もある。作品をKindle専売にするか他のストアとの併売にするかは自主配信の作家にとっては大きな悩みどころでした。しかし、昨年7月に「Kindle インディーズ無料マンガ」が登場して、状況が一変しました。

「インディーズ無料マンガ」はUnlimitedの定額利用者に限らず、すべての読者にも「読み放題」です。作品が読まれると、Kindle側がUnlimitedとは別枠で用意した基金から分配金が出ます。その金額は目下のところ、その作品が有料の電子書籍を販売した際に得られるロイヤリティ以上。しかも、 「インディーズ無料マンガ」には専売規定はないので、他のストアで配信してもOK。

もし、作家さんがなにか電子書籍化できる適切なコンテンツを持っていて、なるべく早く収益を得たい場合は、Kindleに有料販売で販売登録するよりは「無料マンガ」に登録し、同時に他のストアにも有料で登録するのがいまは一番おすすめな配信の形になっています。

ただし、基金からの分配はいつまで続くかの保障はなく、「インディーズ無料マンガ」に一度登録した作品はその後Kindle内では「有料販売」に登録できないという規定があります。実際に作品を登録する際は先々のことまで検討しておく方がいいかもしれません。

また、もう一点注意すべきなのは配信の際のタイムスタンプです。無料マンガでのは登録はストア表示されるまで72時間かかると注意書きが出ますが、ほぼ即日配信になります。ただ、なぜかタイムスタンプはアメリカ時間で表示され、日本での配信日が1日前になることが多いようです。

「いっせい配信」企画は配信日から1〜2日の誤差内での配信はOKですが、特定の日付で配信したい場合はコントロールが難しいの注意が必要です。