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漫画家「なかせよしみ」がちょっとまとまった文章を公開するためのブログ

第9回いっせい配信企画「創作同人2019年3月」

9回目が開催

すっかり電子書籍の配信告知の専用ブログと化してますが、3月21日(春分の日)に創作同人電子書籍の第9回いっせい配信企画「創作同人2019年3月」が実施されます。

この「いっせい企画」はオリジナル作品を出版社を通さず作家さん自身が主体的に電子書籍を配信する際に必要な広報活動を企画参加作家が全員を補助しあい、拡散力を高める目的で考えられました。  

電子書籍をどのストアに配信するかは各々の作家さんの自由で、今回も多くの作家さんがBOOK☆WALKERAmazon Kindle楽天KoboApple iBooksDlsiteメロンブックスPixiv BOOTHぱぶー、その他の電子書籍ストアにてこの日前後に発売されます。 

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第8回につづき今回の第9回も上記の「看板娘(BWちゃん)」のイラストでチラシをカラー印刷し、東京コミティア、北海道コミティアコミケ、MGM2.0、関西コミティアのチラシ置き場などに置かせていただきました。

現時点では23人の作家さんによる40作品が企画あわせで配信手続きがされ、現時点で予約購入が可能です。 

 「まるかふぇ電書」の本

 当方の「まるかふぇ電書」からは以下の6冊の本が「創作同人2019年3月」にエントリーで3月21日に配信されます。

著者
砂虫 隼
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2019年2月17日
 
内容:25P
価格:100円
容量:6.4MB


「先生 ライターってどうやって使うんですかー?」 

生活の中に火があった。しかし、時代は変わった。燃える炎を目にすることは少なくなった。 作者の火にまつわる思い出と火への想いを綴るテーマ・エッセイ漫画。 2019年2月のCOMITIA127にて「乱痴気事虫所」より発行の自主出版誌。

創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品。

著者
砂虫 隼
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2018年11月25日
 
内容:25P
価格:100円
容量:6.1MB

 
「うちらさーここに来てから野菜喰ってないよね」 

かばんにお米と缶詰めつめこんで2泊3日の合宿にでかけた。しかし、迷い込んだのは食の迷路だった。 旅を通して知る日常の食事、旅によって出会えた新しい食材。「旅」と「食事」の交わりを描く食エッセイ漫画。 2018年11月のCOMITIA126にて「乱痴気事虫所」より発行の自主出版誌。

 創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品。

著者
砂虫 隼
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2003年1月19日
 
内容:25P
価格:100円
容量:6.7MB

 
「引力の卵がある限り僕は生かされる命に囚われる 」 

MC(ムーンチャイルド)である自分は侏儒と同じくに造りものの命だと明かす宗一郎。公平は満月村で自分が何をなすべきか気づく。そして春華は雷太に自分と宗一郎の出会いを語る。 異形の人々や魔法が入り混じった日常空間で展開する長編ファンタジーの第12話。 2003年1月のそうさく畑53にて「乱痴気事虫所」より発行の自主出版誌。

 創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品。

著者
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2019年2月17日
 
内容:23P
価格:100円
容量:8.4MB


「えっと…ちょっと待ってください、エリカさん」 

科学部のエリカさんの発明品はいつも唐突だ。 後輩部員のトウタ君とキヨミ君は必ずそれに巻き込まれる。 高校の科学部で繰り広げられる短編ドタバタSFコメディ集。 「いちご白書」「ハナミズ・ダイエット」の2編を収録。 2019年2月のCOMITIA127にて発行の自主出版誌。

 創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品

著者
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2018年12月31日
 
内容:32P
価格:100円
容量:8.0MB


「そろそろ次回のコミトピアのサークルカットを描かないと…」 

美晴の隣に住む「向河原くん」は会社勤めの傍で漫画を描く人だった。 彼の1日は起き抜けのネーム作業ではじまる。 高校で漫画を教える非常勤講師「響美晴」の日常を描くシリーズ第7話。 2018年12月のコミケにて発行の自主出版誌。

創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品

著者
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2014年2月2日
 
内容:16P
価格:100円
容量:4.9MB


「うちの会社には『怪獣の課長さん』がいる…というか僕の上司だ」 

入船君の勤める会社の上司は着ぐるみ怪獣を着込んだ呉本課長だ。 課長がその着ぐるみに遭遇した時も入船君は居合わせていた。 会社を舞台に繰り広げられる怪獣奇譚。 2014年2月のCOMITIA107にて「まるちぷるCAFE」発行の自主出版誌。

創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品。

 
最近の電子書籍「自主配信」事情

 さて、前回の第8回が実施されて2018年11月から4ヶ月の間に電子書籍の自主配信の世界ではいくつか特筆すべき動きが見られました。

 「インディーズ無料マンガ」の分担金延長

まずは、昨年の7月に開始以来、注目を集めていたAmazonKindleの「インディーズ無料マンガ」ですが、当初は「配信登録をした作家に12月まで2000万円を分配」と謳っていたものの、2019年になっても閲覧数に応じての分配金が継続されました。

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この漫画は私が1月のはじめに書いたものですが、2月の中旬に2019年の1〜12月にかけて5000万円の分配をamazonはアナウンスしています。一度「無料マンガ」に投じた作品はその後、有料化はできませんがそれでも投じてみていいと思う作品がある方は今年一杯は試してみてもいいかもしれません。

配信エイジェントの利用が拡大

出版社を通さずの電子書籍配信を行っている作家さんの中でここ最近、にわかに「配信エイジェント」を利用する作家さんたちの存在が大きくなってきました。 配信エイジェントについて私は以前↓こういうマンガを書いて紹介しましたが、 審査や委託料はなしにマージン取得のみで3桁ものストアへの配信を仲介する業者が現れています。 

2017年12月2

ただ、このような業者を利用する際にはメリットとデメリットの双方があり、ちゃんと電子書籍の配信や、業者の業態を理解をしないでの利用は気をつけた方がいいように思います。詳しい話については私もまた機会があればまたマンガなどにまとめたいところです。

 BWがEPUB作成ツールを公開

1月15日にBOOK☆WALKER電子コミック作成ツール」というものを公開しました。BWの「著者センター」(KindleでいうところのKDP)にID登録しないと利用できませんが、漫画本などのepubデータを作成するのがとても簡単で便利なシステムです。

2月のコミティアに先立ち私はこのツールの広報漫画を描いたところ、BWもこれを印刷したチラシをコミティアで配布して下さいました。

https://pbs.twimg.com/media/DzUrzuaUUAAl9Bu.jpg

個人的には「理論目次が作れない」という機能上の不満はありますが、昨年「マグネットVC」が使えなくなって以降は一番ユーザーフレンドリーなシステムがBWの個人配信サービスの直営で作られたので、電子書籍の自主配信に乗り出したい作家のとってはかなりハードルが下がりました。

もし、この活用が盛んになればBW側も「理論目次」の装備や扱えるファイル数の増加なども考慮してくれるかもしれないので、ぜひともこれの利用を広めたい次第です。