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なかせっとHatena

漫画家「なかせよしみ」がちょっとまとまった文章を公開するためのブログ

「新企画立ち上げ」と「ちょっと実験」

電子書籍に関する近況を少々。

まず、COMITA117「紙&電子同時配信」企画の結果をもとに9月の半ばに新企画を立ち上げ、サイトを作りました。

プッシュする看板を「コミティア新刊」の電子書籍からより広く「創作同人」の電子書籍に変え、ターゲット購買層を「イベントに来たことがない読者」に変更しました。また「いっせい配信日」を定期的に繰り返すことで、ゆっくりこの取り組みを育てていこう、育てて頂こうという計画にしました。

創作同人電子書籍」いっせい配信企画

詳しい内容については、上記の新企画サイトをご覧ください。

 
その一方で、私自身の配信活動としての「まるかふぇ電書」では昨日より、ちょっとした試みを始めました。

実は下記二つの書籍を他のストアでの配信を中断し、Kindle専売としてKindle Unlimitedに投入しました。

「 餅は農産物。餅はでんぷん質。餅は食文化。そして餅はおいしい。 」 

知ってるようで知らない(かもしれない)餅にまつわるお話。4つのエピソードでつづる「餅」四方山話の「餅」漫画読本。2015年12月のコミックマーケットにて「まるちぷるCAFE」より発行の自主出版誌。

Kindle Unlimited 発行: 2016/1/8 (紙版:2015/12/31)内容:25p /価格:100円/容量:4.9MB

「 分かっておくれよぅ もちファンの もちファンタジーを 」 

年末の餅つき、神社や近所の棟上げ.での餅まき、毎年飾る鏡餅、徐々に開拓した餅レシピ。「餅」にまつわる思い出をつづる餅漫画エッセイ。2016年1月開催のComitiaにて「乱痴気事虫所」より発行の自主出版誌。 

Kindle Unlimited 発行: 2016/1/8 (紙版:2016/1/30 )内容: 25 p /価格: 100 円/容量: 3.6 MB

 と言っても、私としては現在一番初心者にとって電子書籍配信に乗り出す際のハードルの低いマグネット→BOOK☆WALKERの連携をプッシュし続けたい事もあり、今回の処置はとりあえずKindleセレクトに一旦入れると専売維持の義務として課せられる3か月の期限一杯として、来年明けにはまた他のストア配信の再開を考えています。

 

まずは話題の「Kindle Unlimitied」での配信を自分自身も体験してみたいですし、こういう切り替えがすぐできるのが個人配信のいいところなので、やってみました。

 

でも、実は読者としてはUnlimitiedを使っていない私は、今現在、自分の本がUnlimitedに出ているかどうかはわかりません(^^;)。さしあたって、この本が気になっていた人でUnlimitedを利用している読者さんは、よろしければこれを機会にご一読ください。

 

<追記>
Kindle内でUnlimitedで検索することで出ていることを確認できることを教えていただきました。ありがとうございます。
検索の結果、今年1月の餅漫画企画にエントリーした中の5作品が今Unlimitedで読めることも判明!

「紙&電子同時発行」企画結果と課題

8月21日に開催されたCOMITIA117からはや2週間が過ぎ「紙&電子同時発行企画」にエントリーした電子書籍も販売開始後10日を越えて、そろそろ「販売状況」の評価できる時期となります。

 

こちらのブログでもそろそろ今回の企画の総括をしたいと思います。

 

まずは、今回の企画の実現には多くの方々のお力添えを頂きました。企画を技術的に支えて下さったBOOK☆WALKERとマグネットの2社、「企画応援」という異例な「部活動」を承認下さったコミティア実行委員会、企画に興味を抱いていただき、情報の拡散に協力して下さった皆さま、その企画にご自身の作品をエントリーさせて下さった作家の皆さま、そして、それら電子書籍をご購入ご購読して下さった皆さまに、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

 

企画にエントリーした本の詳しい情報はこちらでご覧になれますが

http://kami-densi-douji.jimdo.com/書籍リスト/

一覧をまとめると以下のようになります。

 

 

企画エントリー本(50音順)

作家&編者名

サークル名

登録ストア

1

あかズキンとオオカミしょうねん

陽気婢 

温泉忍者

BOOK☆WALKER

 

2

アンダーグラウンド・エンカウンター

弥生肇 

春夏秋冬春一番

BOOK☆WALKER

3

浮人形

smison 

BOOK☆WALKER

4

お隣さんと援交性活

くろがね 

TTSY

BOOK☆WALKER

5

御前崎沖浮体構造物

粟岳高弘 

あわたけ

Dlsite

6

清月龍之霹靂

belne 

アートファクトリィ

BOOK☆WALKER

7

銀廊絵画

沢音千尋 

ひややっこ隊

BOOK☆WALKER

8

早希の場合

GZ 

IMPULSE

BOOK☆WALKER

9

仕立て屋の過去と出張先の細かい妖怪達

高川ヨ志ノリ 

瓶詰天獄・人形地獄

Puboo

10

受動的知性体

八木ナガハル 

人類圏

Kindle

11

しょうかんまほうの応用

メイ 

虚空100万マイル

BOOK☆WALKER

12

触手な彼氏と不真面目な男。

貴津 

DEAD-POP

BOOK☆WALKER

13

じょこも!再録

十野七 

ミニマムセンチュリー

BOOK☆WALKER

14

叙情派ひとつ2016

編集 秋元なおと

メタ・パラダイム

BOOK☆WALKER

15

すずめノみくろ3

十野七 

ミニマムセンチュリー

BOOK☆WALKER

16

素浪人・野良之介 巻之二

えしま長月 

電脳吟遊館

BOOK☆WALKER

17

戦場のサンタさん。1

のはら福 

おはぎ堂(改め)のはら堂

BOOK☆WALKER

18

戦場のサンタさん。2

のはら福 

おはぎ堂(改め)のはら堂

BOOK☆WALKER

19

高田馬場のミカドちゃん

クロ僕屋 

クロ僕屋

BOOK☆WALKER

20

中国激安レーザー加工機個人輸入した話《前篇》

樹港 

レトロピリカ+nekoism

BOOK☆WALKER

21

道標 vol.1

編集 小桜店子 

身を尽くす会

BOOK☆WALKER

22

どこの馬の骨とも知れないお姫様のブルース

舞村そうじ 

RIMLAND

BOOK☆WALKER

23

徒歩で5分の別世界

なかせよしみ 

まるちぷるCAFE

BOOK☆WALKER

24

日本えろ昔ばなし さんまいのおふだ前篇

下山りりす 

りりすんち。

BOOK☆WALKER

25

バトル・オブ・ブリテン物語総集編

12月の薔薇 改訂新版

mao 

アトリエmao

BOOK☆WALKER

26

Hanemono Mini

編集 秘密結社

hanemono

アートファクトリィ

BOOK☆WALKER

27

はまれ虫

yygygy 

わいわいがやがや

BOOK☆WALKER

28

ペーパー本6

クロ僕屋 

クロ僕屋

BOOK☆WALKER

29

墨汁Aイッテキ!2016八月号

編集 僕墨汁

僕墨汁

BOOK☆WALKER

30

漫画の先生ep5.

なかせよしみ 

まるちぷるCAFE

BOOK☆WALKER

31

みかげ2

大空真紀 

まるちーず

BOOK☆WALKER

32

水遊び

smison 

BOOK☆WALKER

33

もぐもぐ酒

砂虫 隼 

乱痴気事虫所

BOOK☆WALKER

34

リヤ/スイ

小津端うめ 

千秋小梅うめしゃち支店

BOOK☆WALKER

 

以上の34作品にエントリーいただきました。

 

年4回開催されるCOMITIAで毎回出る「新刊」の数は推定で3000冊以上。その全数のわずか100分の1程度ですが、漫画あり小説あり、読み切りあり続き物の最新刊あり、健全本あり18禁あり、個人誌ありグループ誌あり、イラスト集、技術レポート本、エッセイ本等々…バリエーション的には「コミティア本」の全貌を代表するに相応しいラインアップが実現できたと言えます。 

 

しかし、企画全体の「成否」を考えると、残念ながら成功したと「言える部分」と「言い難い部分」がありました。実はこの企画はもともと3つの目的のために立案されたものです。

f:id:y_nakase:20160831090337p:plain

 以下、これら項目ごとの成否について考えたいと思います。

 

 1)「電子書籍に参入しやすい環境整備」について

 電子書籍の市場は2012年より日本でも「出版社が出している書籍と同じ土俵」で個人が自作を配信できる場所になりました。しかし、個人が「出版社と同じ品質の電子書籍」を出すには「技術的ノウハウ」というハードルがありました。

 

原理的にはさほど難しくはないはずの「漫画本の電子書籍化」ですが、出版社と同一品質に仕上げる簡単なツールがないことが、多くの作家の参入を阻んでいました。まずは使用勝手のよい「漫画の電子書籍化」のシステムを整備することが企画の第一目的でした。

 

この目的は100%達成されたと言ってよいと思います。企画にあわせて整備いただいたマグネットのシステムは誰でも特別なノウハウなく「出版社と同様の電子書籍」が作れるシステムになったと言ってほぼ問題ありません。

 

このシステムについては以前のブログ記事で紹介しましたのでここでは割愛しますが、今回の企画にエントリーされた作家さんのほとんどがマグネットの使いやすさを実感された模様です。

y-nakase.hatenablog.com

  

 

2)「多数の創作同人作家による一斉配信」について

せっかく、どこの電子書籍の市場に出しても問題ない「創作同人」を手がけている作家さんが大勢集うCOMITIAなので、企画をなるべく多くの作家が電子書籍配信の実体験する機会にしていただきたい、というのが第2の目的でした。

 

マグネットの簡易な電子書籍作成システムと、さらにBOOK☆WALKERの簡易な配信登録システムは電子書籍市場の参入へのハードルを大きく下げるものでした。これは今回のエントリー34作中の31作までがBWで配信された点を見ても納得される話だと思います。さらには企画エントリー対象の「COMITIA新刊」以外の「既刊作品」を含めるとこの企画がきっかけに59もの作品が新たにBWに登録されました。

 

BW登録新刊

BW登録全数

31

59

 

 しかし残念ながら、この数値は企画の立案時の予想を大きく下回るものでした。実際、5月の東京コミティアを皮切りに関西、新潟、北海道、郡山と5箇所のコミティアおよび「グルメコミックコンベンション」で合計7000枚の企画広報チラシを配ったことを考えると、30人弱という作家数はちょっと寂しい数字です。

 

実は今回の企画でBOOK☆WALKERに協力を依頼する際に私が提示した看板は「作家100名のエントリーが望める企画」でした。結果的にその提示数には遠く及ばず、ご尽力に報いることができなかったことを大変申し訳なく思っています。

 

作家さんを企画に呼び込めなかった理由には「広報」の問題と「スケジュール」の問題があったと考えます。

 

広報の手段としてはチラシの配布と企画サイトの作成に重点をおきましたが、それだけでは作家の方々に企画参加のメリットや参加要領がなかなか伝わらなかった模様です。参加された作家さんの多くも参加要領に関する見落としが多く、その修正にもBOOK☆WALKERには多大なご迷惑をおかけする形になっていました。

 

スケジュール上の問題は、マグネットのシステムが「実質使える状況」に整う時期が8月にずれ込んだことでした。

 

これには実は、企画で活用する際のシステムの大きな問題点として「電子書籍化されたデータの画質がオリジナルの画像よりボケる」というトラブルが遅れて発見されたという経緯がありました。このトラブルを克服して「システムが問題なく使える」と企画のツイッターアカウントでアナウンスできたのは8月4日です。

 

もうこの時期には、多くの作家は8月12〜14日のコミケ、そして21日のコミティアに向けて傍目も振らずに原稿用紙に向かっている状況。イベント開催までにこの企画に心を傾ける余裕は到底なかったものと思われます。 実際に企画に参加したのは6割以上が企画に関する情報を随時配信していた私との面識のある作家さん、7割は早くより「企画応援部」の部員として企画参加を早くから決断されていた方たちでした。 

 

参加作家数

なかせの知人

企画応援部員

28人

18人

20人

 

64%

71%

 

本来はその方たちが整備の終わった「システムの使いやすさ」を実感した上で「企画参加のメリット」とともに回りの他の作家さんたちに情報を波及していただけるつもりでした。しかし、今回これらの作家さんたちが自作の電子化を試みることで手一杯で、この2次的な情報拡散を図る猶予は到底ありませんでした。

 

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3)「電子書籍の購買層へのアピール」について

コミティア作家の多くが同時に新刊を電子書籍配信すれば、その活動はSNS等で話題となり、電子書籍読者の目を引くことで「注目」と「売上」を個々の作家に還元する、というのが今回の企画の第3の目的でした。

 

しかし、残念ながらこの目的についてもあまり芳しい結果は得られていません。企画にエントリーで配信された本は、企画なしで個々でバラバラに販売された場合に比べれば「注目を集めた」ことは多分間違いないと思われます。しかし、その結果として現れるはずの売上げの伸びは予想したほどではありませんでした。

 

実は、この企画の手本となったのは今年の年始に行われた「餅まんが」企画でしたが、餅漫画の販売数に比べると、今回の企画でのうちでの本の売れ行きは10分の1程度でした。

y-nakase.hatenablog.com

 

当初は目標の作家数を集められなかったことによる広報力の不足のせいかと思ったのですが、更に確認すると、この企画との比較のためにうちで5月に5冊の本を出した時よりも今回の方が電子書籍の売上の伸びが鈍いことに気づきました。

 

y-nakase.hatenablog.com


どうやら今回の企画の販売戦略自体に大きな欠陥があったと認めざるおえません。

 

もともと今回の企画は、2週連続のコミケコミティアで「東京まで来れない」読者を電子書籍購入の「第一購買層」として想定していました。この読者たちが会場に来る代わりに電子書籍を買えばこれが販売の求心力となり、他の電子書籍読者にも「コミティア本」という新ジャンルに興味をもってもらえると考えていました。

 

f:id:y_nakase:20160902223940j:plain

しかし、前週のコミケの疲れが抜けきっていなかったのか、あるいは「紙の本」を次回以降のコミティアで入手することに重きを置かれたのか、この「第一購買層」の集中は見られませんでした。

 

あるいは、そもそもこの企画の存在自体がほとんどの読者が気づかれていないのかもしれません。実は、COMITIA当日の会場では「新刊を電子書籍で同時配信しているサークル」がいることに気づいた読者さえもが、背景としてこの企画が存在することを察知できていない状況が多々見受けられました。

 

いずれにせよ、第一購買層が動かない中では「コミティア本」「COMITIA117新刊」といったブランド名は一般の電子書籍読者の方々にはさほど魅力あるものとして写らなかった模様です。

 

企画の反省と今後の展開 

このように、今回の企画は実行のタイミングや企画広報の内容およびその拡散に大きな問題がありました。そのため立案時の目標にはかなり届かない結果となり、立案した私にとっても大いに反省すべき材料となりました。

 

しかし、今回の企画に気づかれた方々からは多く「面白い試みだ」「会場に行けずともコミティア新刊が買えるのは有難い」といった好意的な意見が届きました。また単純に「買う際の選択肢が増えるのは嬉しい」という声もいただきました。

 

実際、今回のコミティアではうちの本について「電子でももう出てるの?じゃあ、そちらで買います」と言った読者さんも数名おられました。しかし、同時に「電子書籍で著書を知ったので紙でも買ってみたくて来た」という読者さんも数名来られて、結果としてコミティア当日の本の売れ行きは昨年の8月コミティアとほぼ同じ(誤差レベルでは少し多いくらい)でした。

 

また、イベント当日は多くの知人作家から「今回の企画に参加したかったけど、うちには新刊がなかった」といった声も寄せられました。コミティアの作家さんたちの間では電子書籍という市場への期待自体は大きいと思われます。

 

さしあたって「新刊・既刊」を問わずエントリーできる企画をツイッターアカウントで提言してみたところ、多くの方から反響をいただきました。

 

この新企画を今年の11月3日(木・祝)での実施で現在検討しています。 

 

新たな企画では参加を募る意味でも、電子書籍の市場で企画に注目していただく意味でも、「企画参加の作家さん」による情報の拡散が今回の企画以上に大事な要素なると想像されます。

 

しかし、やるからにはなるべく多くの創作同人作家が気軽に参加できるものにしたいですし、また、創作同人の魅力をなるべく多くの読者にアピールできる形にしたいと考えます。今回の企画での問題や課題を吟味し、それを改善した形で実施したいと思います。

 

「創作同人」と「電子書籍」は本来は相性がとてもよいものです。

 

この二つの関係性をよりよいものにするために打てる手立てはまだあるはず。そして、そんな中で私にできることがあれば、骨身を惜しまず尽力したい所存です。

 

今後の企画にご期待をいただけますなら、もうしばらくお付き合いのうえ、よろしければこの活動の情報の拡散にご協力ください。次の企画がまとまりましたら、またこのブログ等で情報発信いたしますので、どうかよろしくお願いします。

 

今回の企画参加者への要望

最後になりますが、

今回のCOMITIA117「紙&電子同時発行」企画にご参加いただいた皆様へ、

お願いしたいことがあります。

 

できれば今回の企画に参加された状況をご自身のブログなどにお書きください。twitterでいくつかのつぶやきに分けて発言いただくのでもいいです。「企画参加を決めた経緯」「参加で苦労されたこと」「参加の際に気づいたこと」「参加で手応えが得られたか否か」「今後の企画に対しては希望を抱かれているか否か」…等々、企画に関わるご自身の印象を情報としてなるべく多く発信してください。

 

これらの情報は今後の企画を進める上での大きな手がかりとなり、今後の企画への参加を検討される方たちにとっても大事な判断材料となります。みなさんが今回の企画で得た情報は、今後「創作同人誌」が電子書籍の市場で広がっていくための大切な土台です。貴重な情報をご自身の中に止めず、なるべく拡散してください。

 

どうか、よろしくお願いします。

 

 

<2016年9月14日追記>
新企画のサイトを立ち上げました。

「創作同人電子書籍」いっせい配信企画

COMITIA117新刊のレビューを書いてみました

COMITIA117新刊を読んでいるのですが、全部のを読み終えるには時間がかかりそうなので、いくつか読んで書けたレビューをご紹介します。よろしければご参考にどうぞ。

 

ちょっぴり切ないガールミーツボーイなお話。

 公園の真ん中で「つちのこ」を発見した金髪少女の「オラ」。
しかし、これは彼女にとってのその日の「出会い」の序幕にすぎなかった。

作者が2010年に書いて合同誌寄稿用のSF小説処女作に加筆修正して単品化した作品とのことで、初々しさが感じられる少年少女譚。

 主人公少女の今後の奮闘を描いた続編など書かれるなら読んでみたいです。

 

 

真白、日向トモキチ、BELNEのお3方による短編漫画&イラスト集。全ページがフルカラー。漫画は短いながらも美麗な描画による上質のファンタジー。

BELNE先生のお話しは太陽にまつわる中国の神話を私も知っていたので理解できた部分があるが、もしかするとファンタジー上級者なら更に深読みできる作品集かもしれません。

 

 

 

山に栗拾いに行きたいという寺の小僧が山姥に取って喰われないよう、和尚はお守りとして「願い事を叶えるお札」3枚を小僧に渡す。日が暮れるのも忘れるくらい栗拾いに夢中になった小僧が一晩の宿の世話になった小屋の老婆は小僧が寝入るとともに山姥へと変貌…

…と、ここまでは日本昔話通りの展開。しかし、その山姥は少年の◯◯に飢えていたという展開から違う方向に話が広がっていく。昔話を忠実に「踏襲しながら」も凄まじい勢いで「踏み外して」いく展開がすばらしい。

 

エロだが…エロ以上にこれは秀でた冒険活劇だ。いや、やっぱりエロだけど。

これは回し読みして語れるエロです。エロに抵抗のない読者にはおすすめ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とりあえず以上ですが、また他のレビューも書けたらこの記事は継ぎ足します。

「電子書籍のCOMITIA117」がはじまりました!

二つほど前置きを書かせていただきます。

第1に、年4回東京ビッグサイトで2〜3ホールぶち抜きで開催される創作同人漫画即売会コミティアは昨日の8月21日の開催の第117回に3463サークルの参加で会場がにぎやかなうちに、午後4時をもって閉会しました。しかし同時に開催された「電子書籍のCOMITA117」は、まだ「はじまったばかり」です。

第2にこの「電子書籍のCOMITIA117」はまだエントリーが可能です。8月21日の東京コミティアで新刊の見本誌を提出されたサークルさんはその本を電子化の上「COMITIA117新刊」の検索ワード(タグ)をつけて、お好きな電子書籍ストアにご登録してください。その際に書籍の説明文には「COMITIA117紙&電子同時発行企画」参加の作品であることと、コミティア参加の際のサークル名スペース番号を記載ください。

企画の推奨の電子書籍ストアBOOK☆WALKERではエントリー作品で100円以上の値段のものに8月29日まで実施の「購入時にコイン5倍返還キャンペーン」が適用されます。

 詳しいノウハウ等についてはこちらをご覧ください。

kami-densi-douji.jimdo.com

 エントリーに必須な手順ではありませんが、登録時に私の方へご連絡もしくは企画参加をツイートいただければ、まとめ記事を書く私が助かります。

 

そんなわけで電子書籍COMITIAが開始です。以下にイベント当日までにエントリーの33作品をご紹介します。当日会場に並んだ「新刊」の推定100分の1の数ですが、コミティア本のバリエーションを十分に再現するラインアップです。「出版社経由でない自主出版」の魅力を存分にお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記載の情報に誤りや、ストアの追加などありましたらお知らせください。

 

以上の本が現在、スマホやパソコンをお持ちの方なら誰でも読めるコミティアです。面白そうと思う本を気軽にご購読ください。そして、本が面白い、コミティアというイベントが楽しそうと思われた方は、本の紹介文(Push&Review)をコミティアにお送りください。その際には是非「電子で読みました」の一文をお書き添えください。

 

コミティアのオフォシャルサイトでCOMITIA117の本についての紹介文投稿は8月31日までこちらで受け付けています。>http://www.comitia.co.jp/form/pr/

 

 また、P&R投稿とは別に、ご自身のブログなどに書評などを書かれる皆さんへ

こちらのブログ記事の各書籍の紹介BOXを自由にお使いください。BOX全体を範囲選択のうえ、コピーしてご自身のブログの書き込みに貼りこめると思います。

 

 

COMITIA117企画と6タイトルの配信

2月頃より半年をかけて準備をしていた8月21日のCOMITIA117がいよいよ明後日の開催です。この日を目標に「紙&電子同時発行」企画と言うものを立案し、方々に働きかけ企画の実現に尽力してきました。

 

詳しい企画の内容はこちらですが…

kami-densi-douji.jimdo.com

簡単に言うと…

漫画家中心にオリジナルな作品作りをしている作家が毎回3000人以上参加している東京で年4回開催のCOMITIAと言うイベント。…そのほとんどが、毎回新しい本を発行して「新刊」として会場内の「見本誌スペース」という空間に集められます。

 

でも、せっかくオリジナルなコンテンツならそれを会場内の限られたスペースに押しとどめるのは勿体無い。新刊を発行する方の中の「有志だけでも」同日に電子書籍として配信し、オンライン上の「見本誌スペース」を設けましょう…という企画です。

 

オンラインにすれば会場内でも見本誌スペースに立ち寄れない人も見ることができます。企画で推奨する角川直営の電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」ならサンプルページを立ち読みすることも可能です。また、その日は会場に来られなかった読者さんも見ることができる上、気に入れば電子書籍版を即座に買うこともできます。

 

さらに、この企画に多くの作家が参加すれば、電子書籍市場としても注目を集めます。各人がバラバラに電子書籍を配信する場合より多くの読者の目に止まり、個人発信による電子書籍の市場に活力を与える結果となるはず

 …といった話です。


そして、そんな企画に現時点でエントリーしている電子書籍がこちらです。

>> 書籍リスト - COMITIA117「紙&電子同時発行」企画


 8月19日の16:00時点でのエントリー数は24タイトルですが、まだまだエントリーが増える模様。

 

 そして、このエントリーの中には、うちの「まるかふぇ電書」の本が3タイトル含まれています。また、その3タイトルと同時に「COMITIA117新刊」ではない本をさらに3タイトル…合計6タイトルの本が8月21日に配信開始になります。以下に紹介するのがその6タイトルです。表紙画像をクリックすればサンプルページが読めますのでご参照ください。

 

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、今回のCOMITIA117に向けての準備はおおよそ整いました。今回のコミティア電子書籍の企画は、当日会場に来れれる方にとっても、来れない方にとっても、個人配信の電子書籍に興味がある方にとっても、あるいはこれまで興味なかった方にとっても、興味深いものになるものと思います。

 

よろしければ、このCOMITIAについて、またそこで開催の「紙&電子同時配信」企画について、情報を拡散の上でご注視願えればと思います。

 

どうぞ、よろしくお願いします。

漫画の電子書籍の作成に最適システムが完成

以前に私はこちらのブログで「漫画の作家が電子書籍の自主出版に乗り出す」際に問題となる「データ作りの難しさ」について言及しました。

 

漫画の電子書籍は「すべてのページを同サイズの画像データ」として作成し、それを「束ねただけ」の非常に簡単な原理のものです。しかし、それをリーダー端末やスマホなどに「電子書籍データ」として認識させ、ちゃんと表示させるには特殊な仕様が必要です。

 

その仕様のデータ作成に、これまではAmazon Kindleが公開している「Kindle Comic Creator(KCC)」が「最も使いやすいツール」という認識が広かったと思われます。しかしこの度、これを上回る「機能」と「使い易さ」のシステムが登場しました。

 

マグネット」が無料公開しているオンラインの電子書籍作成システムです。

 

 

マグネットはクリエイターのエージェントとして名高い株式会社コルク佐渡島庸平氏が代表取締役を勤める「漫画のオンライン公開」を請け負う会社です。一種の電子書籍ストアですが、ストア本棚を持たず、作家自身が作品の公開リンクをSNS等に貼って広報したり、作成されたデータを他のストアに登録することを主眼とした業態で、2013年より営業しています。

 

こちらの漫画データ作成システムの新たな更新が本日の7月26日に完了が確認され、これからの漫画自主出版の世界を大きく牽引していく仕様に仕上がりました。

 

新しい仕様となったシステムの特徴は以下の3つです。

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 1.すべての電子書籍ストアでデータが利用可能 

 電子書籍で世界的にもっとも標準とされるデータ仕様はEPUBです。EPUB楽天KoboApple iBook、角川BOOK☆WALKER等々の電子書籍ストアで、そしてAmazonKindleでも書籍配信の登録に使用できるデータ仕様です。出版社が電子書籍をストア登録する際に作成するデータもEPUBです。

 

AmazonKindleではこのEPUBの他に「EPUBを内包した」より大きなMOBIというデータも使います。KCCをはじめAmazonが公開している電子書籍作成ツールはこのMOBIしか作成できません。つまり、Kindleでしか使えないデータのみが作れる仕様なのです。電子書籍はストアごとに違う客層がいます。複数のストアで販売したい場合はEPUBが作成できる方が能率的です。

 

マグネットではどのストアでも問題なく使える国際標準に則ったEPUBデータが作成できます。

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2.書籍データに「目次」の埋め込みが利用可能 

電子書籍の標準仕様EPUBには「目次」を表示する機能があります。この「目次」はすべての電子書籍に共通の手順で表示され、目次項目のページに移動するには便利です。ある程度の厚みがある本にはついていて欲しい機能です。

 

出版社から出ている漫画単行本の電子書籍では各話に飛べるよう目次が用意されています。(中にはこの目次作成をおこたっている出版社もありますが(^^;))しかし、個人が自主出版した電子書籍の目次を見ると「表紙」しか目次項目がない本が多いことに気づくでしょう。

 

実はKCCをはじめ、個人が利用可能な多くの漫画電子書籍作成ツールではこの機能は活用されていません。薄い本の場合はこれで特に不便を感じませんが、バックナンバーの総集本を電子書籍で出す作家さんにとっては「指定のページ項目に自動的に飛べる」目次を「作りたくても作れない」状況は不便です。

 

マグネットのシステムでは簡単にこの目次を作成できます。

 

3.パソコンがなくてもiPadスマホで利用可能

電子書籍を読むのはリーダーやipadスマホさえあれば可能で手軽ですが、作るにはパソコンが必要…というのがこれまでの認識だったと思います。データを電子書籍にパッケージするのはちょっと入り組んだ演算で、その処理はスマホのアプリなどにはちょっと難しいからです。

 

しかし、自主出版をしたい漫画作品を持っている人は必ずしもパソコンを持っているとは限りません。漫画制作はまだまだ紙とGペンが主戦力という作家は多い世界です。トーン仕上げだけをスキャン取り込みでパソコンでやっている作家も、使っている機材は10年前のもので、最近のOSへのバージョンアップは既に非対応という場合も少なくないはず。古いOSの上ではKCCも動かないので、電子書籍進出を断念した作家さんも多いと思われます。

 

そういう作家さんでも実はスマホは最新の機種を持っているのが今の時代です。スマホ内のフォトギャラリーに自作のスキャン画像や写メ画像を収納して、擬似電子書籍を再現したりできます。

…いえ、それは「擬似」ではないのです。むしろそれが電子書籍の本質です。

そのフォトギャラリーのデータを「電子書籍仕様」にパッケージさえできれば、それは電子書籍ストアで堂々と売れる本物の「電子書籍」なんです。

 

マグネットはそのパッケージする機能をオンライン上で処理します。インターネットを見るブラウザさえ立ち上がれば、漫画原稿の画像をアップロードしてEPUBデータを作成し、それをダウンロードすることが可能です。

 

これらの3項目に加え、マグネットは一度お使いいただければ分かりますが「ビジュアルで感覚的に使いやすい」システム構成となっています。

  

システム更新の経緯

実はもともと2013年の公開当時からマグネットはデジタル知識を然程必要なく簡単に使えるシステムを提供していました。

 

しかし「機能を全て使うのに必要な登録承認に時間がかかる」「EPUBに収録する画像がアップロードに用いる元データよりボヤケる」「目次を生成する機能を装備してないので総集本には向かない」等の難点がいくつかありました。これらの難点を8月21日のCOMITIA117「紙&電子同時発行」企画に合わせて改善いただいたのが今回の更新です。

コミティアには現在の個人発行電子書籍の市場でも喜ばる作品を持っているものの、デジタルが不得手で配信に乗り出せていない作家さんが大勢います。もともとはこれらの作家さんたちが気軽に電子書籍市場に参入できるシステムが構築できないものか、私がBOOK☆WALKERに相談したことからはじまりました。

 

今年の3月の時点で相談したところ、BOOK☆WALKERは8月に間に合わせて独自にシステム構築するより確実な工程として、すでに使い勝手の良いシステムを公開しているマグネットと相談。その結果、2社の提携で「誰でも『出版社が出しているものと同等仕様の電子書籍データ』を簡単に作れるシステム」が今月完成した次第です。

 

この場を借りて、BOOK☆WALKER社、マグネット社の双方に熱く御礼申し上げます。

ありがとうございます。

 

このシステムをお使いいただければ、どなたにもその使いやすさに納得いただけるものと思います。すでにKCCで作成したデータをKindleで販売されている方も、マグネットで改めてデータを再作成し、さらには他の電子書籍ストアにも登録したくなるのではないか、と思います。

 

初心者の方は使用手順を当方の企画サイトのハウツーページや、BOOK☆WALKER作成の参考サイトでご覧いただけます。(ただいま新仕様にあわせて情報を更新中です)

企画サイト内「ハウツー」

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BOOK☆WALKER「あなたにも出来る電子書籍の作り方」 


しかし、実際に使ってみたら「なんの手ほどきの必要もなくepubを作成できた」という人も多く出るのではないかと思われます。

一度、マグネットにアクセスして、ぜひともお試し下さい。

 

https://magnet.vc/

 

 

<注意>

2016年7月24以前よりマグネットのシステムを使われている作家の皆様にお知らせします。各ページの画像データを現在のマグネットのシステムに再アップロードすることで、生成EPUBの画質が改善される可能性があります。
マグネットの画面に登録のデータに同じページの画像データをアップロードして並べてご比較下さい。画像が良くなってると判断できる場合は全ページの再アップロードをお勧めします。

 

<2016年8月4日追記>

申し訳ありません。

ブログ公開の7月26日の時点でのマグネットの更新では、1)生成されるepubにエラーが含まれ、電子書籍ストアへの配信に活用できない、2)epubのファイル容量が本来必要なサイズの2〜3倍に膨張する、3)「目次作成」の機能がスマホipadでは使用できない、というトラブルが後日発見されました。

 

8月4日にこれらのトラブルは解消されたとの連絡をBOOK☆WALKER側よりいただき、現在のマグネットで生成のepubデータは出版社が配信するものと同等の仕様で問題なくストア登録に活用できます。

 

ただ、一点、マグネットのシステムでは「現在『試し読みページ』の指定機能がスマホで使用できない」という問題点が確認されています。この機能はパソコンやipadでは活用できますが、サンプルページのページ数を作家が指定できるストアでの登録に必要なデータ作成に便利です。この機能をスマホでも活用できるよう以後も働きかけますが、しばらくお待ち下さい。

 

以降、これらの問題についてなんらか変化がありましたらこちらのブログ追記に反映させていただきます。

 

 

5月5日5タイトル同時発行の結果

8月21日のCOMITIA117「紙&電子同時発行」企画の実施に先立って、

 

一つの実験として、先月の5月5日のCOMITIA116の開催日に、「まるかふぇ電書」は以下の5つのタイトルの本を電子書籍で同日発行してみました。このうち「でもくらの糸場3」はその日の「コミティアの新刊」、つまり「紙&電子同日発行」の形をとりました。

以下に、その後1か月間のKindleでの販売状況を参考のために公開したいと思います。

 

 

 

 

 

 



  
https://itunes.apple.com/jp/book/id1076143016 
 http://bookwalker.jp/deae1b5f77-20a7-4ab2-8d0a-51915d710609/
 

 

5つの電子書籍Kindleでの1か月間の販売数は以下の通りでした。

 

でもくらちゃん book1    …53部

でもくらの糸場1     …67部

でもくらの糸場2     …56部

でもくらの糸場3     …52部

もの申さぬ肉たちとの戯れ  …65部 

 

販売の推移をグラフにまとめると以下のようになります。比較の対象として今年の1月に販売した餅漫画の「発売から1か月間」の推移と並べてみました。

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 このように、1か月間の販売はどの本も継続的に続いているものの、やはり1月の餅漫画に比べるとかなり少ない販売数となっています。本の発行に関する情報の発信元が1個人だけの場合の限界かもしれません。

 

ただ、それまでの当方から配信された電子書籍の1か月間の販売数を比較してみると、意外なことも判明しました。

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1冊ずつ、単発で発信した場合に比べて、5冊同時に出した方が明らかに2倍以上の売り上げにつながっていました。

 

やはり、同日により多くの作家がなるべく多くの本を発信する方が、個々の販売数が伸びると考えて問題ないと思います。そんなわけで多くの作家が参加するであろう8月21日のComitia117企画には大きな成果が期待できそうです。

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なお、Comitia117サークル参加申し込み期限は6月18日(オンラインの場合は21日)となっており、そろそろ迫って参りました。コミティアに参加を現在検討されている作家さんは、このデータを検討の一助としてください。

 

ちなみに、その5月5日のコミティアの新刊「でもくらの糸場3」の販売数は例年の数値を少し下回りましたが、下落幅は販売数の1割以下だったので、「誤差の範囲内」と考えて差し支えないと思います。

電子書籍の販売によって紙書籍の販売数が落ち込むことを懸念されているサークルには「心配いりません」と言って良いと思います。むしろ、電子書籍の同日販売がより多くの読者の獲得になることをご期待いただければ、と思います。