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漫画家「なかせよしみ」がちょっとまとまった文章を公開するためのブログ

第11回いっせい配信企画「創作同人2019年11月」

第11回いっせい配信

11月3日(文化の日)に第11回目の創作同人電子書籍の「いっせい配信企画」=「創作同人2019年11月」が実施されます。この企画は配信する電子書籍ストアを問わず、作品を自主配信してる作家さんが配信日を揃えて、配信情報を互いに広め合うオンラインのイベントです。

https://pbs.twimg.com/media/ECsgFgjUcAAae9B?format=jpg&name=900x900

 配信日にあわせて現時点で18人の作家さんによる25作品の予約購入および購入用チェック(お気に入り指定)が可能です。 

「まるかふぇ電書」の新刊は5冊

私(なかせよしみ)と砂虫さんの本を配信している「まるかふぇ電書」は今回あわせで5冊の本を配信します。

前回からの変化
前回の第10回いっせい配信が実施された7月には電子書籍ストアの「パブー」が閉鎖されるという情報があり、それにあわせて「まるかふぇ電書」も配信先の表示からパブーを減らし、代わりにDLSiteとBOOTHでの配信を増やしました。

その後「パブー」は別の会社が買い取って存続されることがきまり、さらにその後FANZAMelonbooksでの配信を増やしたのが今回です。ただ、実は砂虫さんの本については現在FANZAMelonbooksへの配信を増やしている途中で(1日1冊ずつ増やしていく方がストア内でのアピール力があがります)、「もぐもぐ」シリーズは11月3日まで全冊揃いますが、「竜飼い」シリーズのそちらでの配信にはもうしばらくかかりそうです。

多数ストアでの配信

「9つものストアに配信するのは大変な手間ではないか?」とお思いの人もいると思いますが、実は配信登録自体はそれほど大変ではありません。それぞれのストアで1〜2回、登録作業をすれば必要なデータのフォーマットや登録画面に書き込むべき情報はわかるので、あらかじめそれを用意すれば登録画面が指示する順に「アップロード」したり「カット&ペースト」したりで、ほとんど頭を使わずにできます。
むしろ、大変なのは登録した結果の情報管理。私の場合はその情報を以下の5種類のサイトとこのブログに掲載しているので、実は本日は1日その登録作業に費やされました。

いずれも配信情報の広報には必要なページながらかなりの作業量になってしまうので、こういう行事は年3度のくらいに止めてるくらいが賢明なのかもしれません。

電子書籍自主配信の動向

実は今回配信する「創作同人電子書籍のススメ2019」はKindleのインディーズ無料マンガに関する情報がいろいろ変化があり、当初は8月のコミティアで発行したものに大きく手を加える予定でした。

しかし、その後もいろいろ変遷があり、完全なアップツーデートの情報に修正するのは大掛かりになりすぎたため、本書は「現時点で嘘がない」レベルに訂正をとどめました。(まだ在庫がある紙本については訂正情報ペーパーを添付して販売しています。)

現在も状況が変わりつつあり、「電子書籍自主配信の現状」について来年の早い時期にまた一冊まとめ本を出したいと思っています。

 

 

第10回いっせい配信企画「創作同人2019年7月」

10回目の開催

また電子書籍の配信告知ですが、7月15日(海の日)に創作同人電子書籍の第10回いっせい配信企画「創作同人2019年7月」が実施されます。この企画は作品を出版社は通さず作家さん自身が主体となって電子書籍を配信する際、必要な広報活動を企画参加作家全員で補助しあい、拡散力を高めることが目的のオンラインイベントです。  

電子書籍をどのストアに配信するかは各々の作家さんの自由。今回も多くの作家さんがBOOK☆WALKERAmazon Kindle楽天KoboApple iBooksDlsiteメロンブックスPixiv BOOTHその他の電子書籍ストアで配信開始されます。 

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第10回は上記の「看板娘(きんどるちゃん)」のイラストでチラシをカラー印刷し、MGM2.0、名古屋コミティア、東京コミティア、関西コミティア、北海道コミティア、新潟コミティアのチラシ置き場などに置かせていただきました。

 現時点では24人の作家さんによる39作品が企画あわせで配信手続きがされすでに予約購入が可能です。 

 

 

「まるかふぇ電書」の本

うちの「まるかふぇ電書」からは5冊の本が7月15日に「創作同人2019年7月」エントリーで配信されます。

 以前より用いていた電子書籍ストア「ぱぶー」が9月に閉鎖なので、今回より配信先にBOOTHとDLsiteを加えました。

ただ、実は不慣れでDLsiteでは砂虫さんの「となりのひと」の登録を失敗し、書籍が7月6日に販売されてしまいました。6名ほどの読者が購入しましたが、誤りに気付いて私はあわてて配信を停止、15日に再開されるように手配しました。

そんなわけで、「となりのひと」については現在DLsiteのボタンを押しても「データはありません」のエラー画面しか出ません。でも、7月15日からはそのボタンのリンクがDLsite内の販売ページにつながりますので、そちらで購入予定の方は当日までお待ち下さい。

 

最近の電子書籍「自主配信」状況

BOOK☆WALKERの新機能

以前よりBOOK☆WALKERは「いっせい配信企画」と密に連携をとってくださってます。先日、新たに「イベントタグの自動追加機能」が使用できるようになりましたが、ありがたいことにイベントリストに「いっせい配信」入れていただきました。「第10回」からは作品登録時にラジオボタンを選択すると「創作同人2019年7月」のタグが自動的に添付されます。

https://pbs.twimg.com/media/D7Je4grU0AAnwwc.jpg

 ただ、企画参加する際のルールとして「タグをつける」以外に「内容説明」に『「創作同人2019年7月」参加作品』の表記を入れる必要もあるので、この機能には頼りすぎないよう注意ねがいます。

 

BOOTHで「予約販売」の画面を出す裏技

多くの電子書籍ストアでは書籍の配信開始前の商品を紹介し、本に興味を持った読者は先に代金を払って(あるいは払う手続きを済ませておいて)配信日に作品を入手できる「予約販売」の機能を持っています。

BOOTHは配信登録すればすぐ販売が開始されるストアです。しかし、実は裏技として「予約販売」を出すことができます。これは以前、私が「ぱぶー」で使っていた裏技でしたが…配信日前は「サンプルページ」のみが含まれたデータしか登録しない、という方法です。

配信日の当日に登録されているデータを本来売るものに差し替えればOK。配信日前にサンプルを買った人も自動的に配信日以降は完成したデータを入手できるようになります。もちろん、買う側にそういう意図の販売であることを伝える必要があるので、BOOTHの登録時には↓このような記述を加えます。

https://pbs.twimg.com/media/D-sePE9UYAI3Hfq.jpg

そうすればBOOTH画面はこのような↓表示になり、買う側も理解するはずです。

 

https://pbs.twimg.com/media/D-seOCVUwAAlxOw.jpg

 

この「予約販売」登録を早い目に済ましておけば、配信当日は「注意書き」を消去して登録ファイルを差し替えるだけなので、大変お手軽です。

 

「インディーズ無料マンガ」の分担金はいつまで?

2月の中旬に「Kindleインディーズ無料マンガ」に2019年分の基金を5000万円の基金を用意して毎月500万円分配をアナウンスしたamazonですが、6月に基金を6500万円に分配金を600万円分配に増額したと再びアナウンス。さしあたって2019年の12月頃までは分配がつづく見通しとなりました。

もともとAmazonKindle電子書籍の配信事業のトップランナー。作品の自主配信をする作家さんにとっても無視できないストアでした。ただ、まずストアごとに「売れる本」と「売れない本」が若干違うものの、実際に売ってみないことにはわからない。なので、どんな本もなるべくいろんなストアで売りたいものです。

でも、Kindleで専売をする場合はロイヤリティは70%、他ストアとの併売なら35%と大きな開きがあります。加えて、Kindle専売の本は読者が毎月定額を払えば好きなだけ読み放題のUnlimitedに参入することもでき、読まれた時に基金から支払われる講読料の収入もある。作品をKindle専売にするか他のストアとの併売にするかは自主配信の作家にとっては大きな悩みどころでした。しかし、昨年7月に「Kindle インディーズ無料マンガ」が登場して、状況が一変しました。

「インディーズ無料マンガ」はUnlimitedの定額利用者に限らず、すべての読者にも「読み放題」です。作品が読まれると、Kindle側がUnlimitedとは別枠で用意した基金から分配金が出ます。その金額は目下のところ、その作品が有料の電子書籍を販売した際に得られるロイヤリティ以上。しかも、 「インディーズ無料マンガ」には専売規定はないので、他のストアで配信してもOK。

もし、作家さんがなにか電子書籍化できる適切なコンテンツを持っていて、なるべく早く収益を得たい場合は、Kindleに有料販売で販売登録するよりは「無料マンガ」に登録し、同時に他のストアにも有料で登録するのがいまは一番おすすめな配信の形になっています。

ただし、基金からの分配はいつまで続くかの保障はなく、「インディーズ無料マンガ」に一度登録した作品はその後Kindle内では「有料販売」に登録できないという規定があります。実際に作品を登録する際は先々のことまで検討しておく方がいいかもしれません。

また、もう一点注意すべきなのは配信の際のタイムスタンプです。無料マンガでのは登録はストア表示されるまで72時間かかると注意書きが出ますが、ほぼ即日配信になります。ただ、なぜかタイムスタンプはアメリカ時間で表示され、日本での配信日が1日前になることが多いようです。

「いっせい配信」企画は配信日から1〜2日の誤差内での配信はOKですが、特定の日付で配信したい場合はコントロールが難しいの注意が必要です。

 

 

 

 

 

さらばパブー。はろーDLsite。…そして適正価格について

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パブー閉鎖であたふた

2019年4月10日に長年使っていたパブーより思わぬメールがきて私はちょっと慌てました。

電子書籍を販売されている皆様へ
パブーは2019年9月30日をもちまして閉店させていただくこととなりました。
閉店に伴い、2019年6月30日(日)をもちまして、新規作品の作成・公開を停止させていただきます。2019年9月30日(月)をもちまして全ての作品の販売を停止し閉店いたします。  <メール原文を一部要約>

 私が電子書籍の配信を本格的に開始したのは2012年のKIndleの日本上陸からですが、実はその少し前からパブーを用いて細々と作品の電子配信の方向を模索していました。その後、販路をiBooksKoboBOOK☆WALKERへと広げた現在もパブーの活用をつづけ、現在配信中の自分の46作品砂虫さんの32作品もすべて他ストアと同価格でパブーでも購入できます。

パブーはKindleKobo以降に主流となった電子書籍とは違い、書籍をオンライン状態のインターネットブラウザで読むか書籍データのファイルをダウンロードして読む形式。パソコンを常にオンラインにしてる人や、データの扱いに馴染みのない読者層にはとっつきにくい仕様です。ただ、イベントで会う読者に電子書籍を薦める「手元に購入物を確実に確保できないものにお金を支払うのには抵抗ある」という方に出会います。そういう人のためにPDFデータをダウンロードできるパブーという販路を確保していました。

とはいうものの、うちの電子書籍のパブーでの売上げは細々としたものです。時々思い出したようにパブーからの販売通知メールが届き、年間の販売数が私と砂虫さんの本をあわせても片手になるかならないか程度。その買った読者はたまたまパブーでその本に出くわしたのか、あるいは「ダウンロードできるデータ」にこだわって買ったのかわかりません。

それなら、パブー活用をやめてしまってもよさそうですが、実は私はパブーの持つ別の側面に注目していました。パブーは電子書籍の「試し読みページ(サンプル)」の表示がとても早い。どこにでもあるパソコンでも表示できる仕様に作られていてページ表記に特別なギミックを加えず、広告などの掲載もなく、とても軽いのです。表示形式は1ページずつの縦スクロールですが、むしろスマホなどでサンプルを表示させる際には最適でした。

ですので、私は自分のサイトやSNS電子書籍の配信情報を記載する時はサンプルを読んでもらうためにパブーの中の書籍のサンプルページを開くリンクを貼っていました。また、自サイトのプロバイダー上のストレージを圧迫しないように、配信情報の書影もパブー上にのせた画像データを表示させたりしました。

そんな状況でいきなり降りかかってきたパブーの閉鎖。これは私がネット上に載せてる配信情報でリンクが切れたり書影が消える可能性のある危機です。即刻、代わりのサンプル画像表示へ切り替える必要がありました。

TumblrそしてDLsite、Boothの活用

いろいろ考えたあげく、パブーに代わる電子書籍のサンプル表示に私はTumblrを使うことを思いつきました。実は5年前に私はTumblrのアカウントは作ったものの、どう使っていいか放置状態。ただ、ここに画像を掲載すればパブーと似て軽い表示のサンプルページを作れることに気づいたのでした。画像を連ねた後に、書籍説明と販売ストアへのリンクを貼れば立派な販促画面ができあがります。

ただ、「Tumblrに新たに書籍のサンプル画像を貼り、自サイトのパブーURLをあらたにTumblrのURLに書き換える」という作業も80冊の電子書籍分となると膨大です。一気にやるには時間と気力を確保しなければなりません。

そこで考えたのは毎日1作品ずつ作業していくという手法。さらに、前々からちょっと気になっていたDLsiteへの作品登録と、まだ試しに1作しか登録していなかったBOOTHへの他の作品の登録をこれと同時並行に進行させることにしました。

 そんなわけで4月10日〜5月23日の間は毎日1作品ずつ配信情報を修正して、DLsiteとBOOTHに新規登録する作業でした。

DLsiteの思わぬ反響

配信情報の修正とDLsiteとBOOTHに新規登録は毎日だいたい同じ時間帯の早朝に行いました。BOOTHは書籍を登録してすぐに販売が開始ですが、DLsiteはストア側が販売物の審査をするので時間がかかります。DLsiteの新規作品公開は毎日16時と0時の2回ですが、早ければその日の16時、遅いと翌日0時かその次の16時の公開になっていました。(登録画面には「登録から5日以内に公開される」と表記されているので、翌日16時でも早いといえば早いです)

ところで、DLsite登録の際にはちょっと面倒な作業がひとつありました。これまでのBW、KindleKoboiBooks、そしてBOOTHでも書籍情報を登録するのに使う画像データは実際に販売する本の画像データをアップロードすれば済みました。ところが、DLsiteはストア内の商品画像にはなぜか横長(560×420)と正方形(300×300)の2種類を用意する必要があります。そして、この画像の出来不出来は商品の販売に直結するでしょう。

縦長の本を横長の画像で紹介するには工夫が必要で、ちょくちょく表紙画像の原稿データまで開いて画面をトリミング、タイトル文字をリサイズしたり、時には絵を大幅に変更したりする必要がありました。

 再作成>

この作業に掛かる時間は原稿が立て込みはじめるとちょっと辛いので、COMITIAと関西COMITIAが迫る5月には1日1作品の登録ペースも時期をみて「ちょっと中断するかも」と当初思っていました。

ところが、DLsite登録をはじめて数日するとちょっと手応えを感じるようになりました。どういうわけか、うちの作品にレビューがつく率が高い。なかには4冊売れた時点で3つもレビューがつく本などもあらわれました。

レビューをくださる読者の存在は貴重です。自分の描いた本の評判自体は売れ行きからそこそこ判断できますが、レビューは本に作者がこめた意図を読者がどのようにとらえ、理解してもらえたかを読み取るのに大きな参考になります。

どうやらDLsiteでうちの作品を楽しみにしている読者がついたらしい。「これは途切らせてはならない『客の波』だ」と思い、1日1作のペースを少しでも長く続けよう、と思いました。

そして5月24日をもって他のストアにはすでに登録済みの自分の46作品全ての情報修正とDLsite&BOOTH登録が無事に完了しました。(砂虫さん作品の作業は5月24日より開始)

その間にDLsiteにてうちの作品にレビューをくださった、メギさん、 ト・クメイさん 、触手眼鏡さん、わっしー さん、ルードボーイさん、 梨もの さん …このブログをみていただけるかどうかわかりませんが、この場を借りて厚く御礼申し上げます。(DLsite内に作家とレビューアの交信できる機能などもあればいいなぁ、とちょっと思うところです)

 

「同人作品」の適正価格

 ところでDLsiteに作品を登録する際に一つ気になったのは作品につける価格でした。

電子配信の際に作品につける価格には主に2通りの考え方があります。

  • 電子書籍ストア内で販売される他の本の価格に揃える
  • 紙書籍で販売した際の値段に揃える

私の出す本は30ページ程度が多く、即売会では紙の本を2〜300円で売っています。でも、即売会で売られる本は出版社の出す本と違って発行部数が少なく、単価が割高です。その割高の印刷費を買い手側が負担してくれる風習が根付いた結果、その値段で売れているものです。即売会になじみのない人には30ページの薄い本を見て100円以上で売ってるものとは思わないでしょう。もしかすると「無料配布の試供品」と勘違いするかもしれません。

私が電子書籍の配信を本格的にはじめたのはKindleでしたが、その際の客層は多分「即売会になじみがない」方だと思いました。KIndle内では「ストア内で販売される他の本」の大半は出版社から出ている本で、漫画なら「180ページの単行本」が600円。「それなら30ページにつき1/6の100円で売っても納得してもらえるかも」と思いました。ちなみに、うちの本は30ページに満たないものもちょくちょくありますが、KDPでつけられる最低価格は99円なので、30ページ以下の本は一律100円です。

Kindle以外のストアでも本を売りたかった私の場合、「Kindle専売」の場合の70%のロイヤリティはつかず、100円本が一冊売れた時の収入は35%の35円でさらに消費税も引かれます。それでも、Kindleでは「この薄さで100円なんてジャンプを買うのに比べてコスパが低い!」というレビューを書かれてトホホとなったりしました。

一方で、DLsiteは即売会文化の上にできた電子ストアでした。そこで販売される他の本の多くは同人誌で値段は即売会と同レベルです。ここで、作品を売る際の値段を私は紙本の値段に揃えるべきか、あるいは他の電子書籍ストアに揃えるべきか考えましたが、結局は後者、つまり30ページ100円の換算にしました。それでも、DLsiteは50%のロイヤリティをくれるので1冊売れるごとに50円の収益です。この収益は即売会で紙本を売る値段から原価を引いた価格に結構近いので、十分満足です。

ところでうちの本は他のストアでは15ページ増えるごとに50円プラスの値段設定にしてますが、DLsiteは100円単位の値段指定しかできません。仕方ないので他のストアで150円で売っている本がDLsiteでは200円にしました。

すると、ちょっと面白いことが起きたのが「でもくらの糸場」シリーズを登録した時期でした。シリーズの1〜2巻がそれぞれ200円となるのですが、3巻からは100円。実はその前日までは100円の本の発売がつづいて毎日3〜5人の読者が待ち構えたていたように購入してくれていたのですが、200円の1〜2巻が出た日にはピタリとを購入が止まって0人に。ところが、3巻が出た日には再び購入が再開し、慌てたように1〜2巻も購入されたのでした。

つまり「新しいシリーズが一冊200円の時は様子見に徹して、100円の3巻から手を出し、面白そうなので全巻揃えた」…という流れが生じたのでした。

思うに、確かにDLsiteでは「同人誌が同人誌の値段で売られている」ことは受け入れられていますが、やはりお金はお金で最低価格の100円以上を出す際には読者のみなさんもちょっと注意している、…ということではないでしょうか。

私の場合はKindleでの販売でつけた価格ルールをDLsiteに持ち込んだ形になっていますが、どうやらそれはそれでDLsiteの読者にも受け入れられたように思えます。

今後の配信活動

 DLsiteにはまだ他のストアで配信済みの本を配信開始しただけで、まるっきりの新作を配信したのではないため、その真価を全て見たとは言えません。うちのつぎの新刊は7月15日に実施の「第10回いっせい配信 創作同人2019年7月」に出る予定で、その際にはまた何か新しい動きが見られるかもしれません。

sousaku-doujin-epub.jimdo.com

 

ちなみに、現時点では DLsiteでうちは450件の購入を得られ、3万円近くの収益となりました。KindleやBWで得れた数に比べると全然少ないですが、予期しなかった収穫としては結構いい成績です。(一方で、BOOTHでは購入が2件で収益は200円ですが(^^;)。)

とりあえず成り行きで「43日間の43作品登録」というものをDLsiteで実施したところ、面白い結果を得られました。(パブー登録の46作中2作品は無料なのでDLsiteには登録せず、1作は英語版と日本語版を同梱)

 これから、しばらく砂虫さんの作品の情報修正とDLsite、BOOTH登録作業が続きますが、それが終わったら、次はFanza、DiGiket、メロンブックス電子書籍とらのあな電子書籍にも販路を広げてみようかと思っています。

 

 

 

 

 

第9回いっせい配信企画「創作同人2019年3月」

9回目が開催

すっかり電子書籍の配信告知の専用ブログと化してますが、3月21日(春分の日)に創作同人電子書籍の第9回いっせい配信企画「創作同人2019年3月」が実施されます。

この「いっせい企画」はオリジナル作品を出版社を通さず作家さん自身が主体的に電子書籍を配信する際に必要な広報活動を企画参加作家が全員を補助しあい、拡散力を高める目的で考えられました。  

電子書籍をどのストアに配信するかは各々の作家さんの自由で、今回も多くの作家さんがBOOK☆WALKERAmazon Kindle楽天KoboApple iBooksDlsiteメロンブックスPixiv BOOTHぱぶー、その他の電子書籍ストアにてこの日前後に発売されます。 

https://pbs.twimg.com/media/DsjV7xEU4AAF51i.png

第8回につづき今回の第9回も上記の「看板娘(BWちゃん)」のイラストでチラシをカラー印刷し、東京コミティア、北海道コミティアコミケ、MGM2.0、関西コミティアのチラシ置き場などに置かせていただきました。

現時点では23人の作家さんによる40作品が企画あわせで配信手続きがされ、現時点で予約購入が可能です。 

 「まるかふぇ電書」の本

 当方の「まるかふぇ電書」からは以下の6冊の本が「創作同人2019年3月」にエントリーで3月21日に配信されます。

著者
砂虫 隼
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2019年2月17日
 
内容:25P
価格:100円
容量:6.4MB


「先生 ライターってどうやって使うんですかー?」 

生活の中に火があった。しかし、時代は変わった。燃える炎を目にすることは少なくなった。 作者の火にまつわる思い出と火への想いを綴るテーマ・エッセイ漫画。 2019年2月のCOMITIA127にて「乱痴気事虫所」より発行の自主出版誌。

創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品。

著者
砂虫 隼
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2018年11月25日
 
内容:25P
価格:100円
容量:6.1MB

 
「うちらさーここに来てから野菜喰ってないよね」 

かばんにお米と缶詰めつめこんで2泊3日の合宿にでかけた。しかし、迷い込んだのは食の迷路だった。 旅を通して知る日常の食事、旅によって出会えた新しい食材。「旅」と「食事」の交わりを描く食エッセイ漫画。 2018年11月のCOMITIA126にて「乱痴気事虫所」より発行の自主出版誌。

 創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品。

著者
砂虫 隼
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2003年1月19日
 
内容:25P
価格:100円
容量:6.7MB

 
「引力の卵がある限り僕は生かされる命に囚われる 」 

MC(ムーンチャイルド)である自分は侏儒と同じくに造りものの命だと明かす宗一郎。公平は満月村で自分が何をなすべきか気づく。そして春華は雷太に自分と宗一郎の出会いを語る。 異形の人々や魔法が入り混じった日常空間で展開する長編ファンタジーの第12話。 2003年1月のそうさく畑53にて「乱痴気事虫所」より発行の自主出版誌。

 創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品。

著者
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2019年2月17日
 
内容:23P
価格:100円
容量:8.4MB


「えっと…ちょっと待ってください、エリカさん」 

科学部のエリカさんの発明品はいつも唐突だ。 後輩部員のトウタ君とキヨミ君は必ずそれに巻き込まれる。 高校の科学部で繰り広げられる短編ドタバタSFコメディ集。 「いちご白書」「ハナミズ・ダイエット」の2編を収録。 2019年2月のCOMITIA127にて発行の自主出版誌。

 創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品

著者
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2018年12月31日
 
内容:32P
価格:100円
容量:8.0MB


「そろそろ次回のコミトピアのサークルカットを描かないと…」 

美晴の隣に住む「向河原くん」は会社勤めの傍で漫画を描く人だった。 彼の1日は起き抜けのネーム作業ではじまる。 高校で漫画を教える非常勤講師「響美晴」の日常を描くシリーズ第7話。 2018年12月のコミケにて発行の自主出版誌。

創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品

著者
 
発行年月日
電書:2019年3月21日
紙書:2014年2月2日
 
内容:16P
価格:100円
容量:4.9MB


「うちの会社には『怪獣の課長さん』がいる…というか僕の上司だ」 

入船君の勤める会社の上司は着ぐるみ怪獣を着込んだ呉本課長だ。 課長がその着ぐるみに遭遇した時も入船君は居合わせていた。 会社を舞台に繰り広げられる怪獣奇譚。 2014年2月のCOMITIA107にて「まるちぷるCAFE」発行の自主出版誌。

創作同人電子書籍の第9回いっせい配信「創作同人2019年3月」参加作品。

 
最近の電子書籍「自主配信」事情

 さて、前回の第8回が実施されて2018年11月から4ヶ月の間に電子書籍の自主配信の世界ではいくつか特筆すべき動きが見られました。

 「インディーズ無料マンガ」の分担金延長

まずは、昨年の7月に開始以来、注目を集めていたAmazonKindleの「インディーズ無料マンガ」ですが、当初は「配信登録をした作家に12月まで2000万円を分配」と謳っていたものの、2019年になっても閲覧数に応じての分配金が継続されました。

https://pbs.twimg.com/media/DwCven9U0AAiJDa.jpg

この漫画は私が1月のはじめに書いたものですが、2月の中旬に2019年の1〜12月にかけて5000万円の分配をamazonはアナウンスしています。一度「無料マンガ」に投じた作品はその後、有料化はできませんがそれでも投じてみていいと思う作品がある方は今年一杯は試してみてもいいかもしれません。

配信エイジェントの利用が拡大

出版社を通さずの電子書籍配信を行っている作家さんの中でここ最近、にわかに「配信エイジェント」を利用する作家さんたちの存在が大きくなってきました。 配信エイジェントについて私は以前↓こういうマンガを書いて紹介しましたが、 審査や委託料はなしにマージン取得のみで3桁ものストアへの配信を仲介する業者が現れています。 

2017年12月2

ただ、このような業者を利用する際にはメリットとデメリットの双方があり、ちゃんと電子書籍の配信や、業者の業態を理解をしないでの利用は気をつけた方がいいように思います。詳しい話については私もまた機会があればまたマンガなどにまとめたいところです。

 BWがEPUB作成ツールを公開

1月15日にBOOK☆WALKER電子コミック作成ツール」というものを公開しました。BWの「著者センター」(KindleでいうところのKDP)にID登録しないと利用できませんが、漫画本などのepubデータを作成するのがとても簡単で便利なシステムです。

2月のコミティアに先立ち私はこのツールの広報漫画を描いたところ、BWもこれを印刷したチラシをコミティアで配布して下さいました。

https://pbs.twimg.com/media/DzUrzuaUUAAl9Bu.jpg

個人的には「理論目次が作れない」という機能上の不満はありますが、昨年「マグネットVC」が使えなくなって以降は一番ユーザーフレンドリーなシステムがBWの個人配信サービスの直営で作られたので、電子書籍の自主配信に乗り出したい作家のとってはかなりハードルが下がりました。

もし、この活用が盛んになればBW側も「理論目次」の装備や扱えるファイル数の増加なども考慮してくれるかもしれないので、ぜひともこれの利用を広めたい次第です。

Kindle「インディーズ無料マンガ」を始める前に…

以前より私が執筆している「創作同人電子書籍のススメ」シリーズの新刊が出ます。

今回の本は今年の7月よりアマゾンJAPANが始めたKindle「インディーズ無料マンガ」という新サービスに関する話。特にこれからこのサービスに「作品を登録してみよう」と思ってる作家さんは読んだ方がいい内容になっています。

電子書籍は11月22日に全頁フルカラーで5つの電子書籍ストアより配信(100円)

紙書籍は11月25日に表紙2色刷本文モノクロでCOMITIA126より販売(200円)

 内容は私自身がKindle「インディーズ無料マンガ」に作品を登録した手応えと2012年からKindleで自主出版の本を配信し続けているなかでの見聞をもとに、新たに「インディーズ無料マンガ」に乗り出してみようと思っている作家さんが「注意しなければいけないこと」「知っておいた方がいいこと」「その結果として期待できることと期待できないこと」をまとめた話です。

 アマゾンJapanは現在、作家さんに対して「インディーズ無料マンガ」の活用を猛烈にプッシュしています。

 11月25日のComitia126でも今年の2月以来となる企業スペースを出して企画の紹介を展開する模様。これを機会に「電子書籍配信」に乗り出す作家さんが増えることは私自身も好ましい状況と考えています。ただ、Kindleというストアはちょっと「くせもの」ですので、用心に越したことはありません。ぜひ、本書をご一読願いたい次第です。

今回の本に収録の主だった内容は私がtwitter不定期連載しているシリーズの今年10月以降に公開の漫画で、今現在もtwitterでその内容を読むことができます。

ただ、電子書籍か紙書籍を購入すれば、通信環境や残りギガを気にせずオフラインでじっくり読めますので、お好きなストアで是非ご購入下さい。

 

で…、ここからはこの本を出すにあたっての四方山話。

いっせい配信をのがしてしまった

実はこの本は当初、今月初め11月3日の「創作同人電子書籍『第8回いっせい配信』」に合わせて出す予定でしたが、間に合いませんでした。となれば、来年の3月21日の第9回に出そうかとも考えたのですが、いまのこの時期に読めば役に立ちそうな人が多かろうと思い、11月のコミティアで紙版を出すのと同時の電子書籍配信とした次第でした。

あわてずゆっくり描きました

コミティアで新刊を出す際はいつもイベント前に根を詰めてあたふたと原稿を仕上げるのが私のパターンでしたが、今回の漫画は「6ページ以下の短編を出来次第ツイッターに掲載」という形で10月はじめより作成していたので、珍しく睡眠不足も日常生活への圧迫もなく、心身ともに優しい状態での前割り入稿ができました。

ただ、実は「今回は情報がメインの漫画」だからと「絵の表現」の方はちょっと手を抜いて描いていたら、終盤になって全体を見渡すと「うわぁ!手直ししたい!!」と思う絵柄の展覧会みたいになっていました。漫画を描く際の力の入れかたと仕上がりの満足度のバランスはまだまだ自分にとっては課題で、今回の反省は今後の制作に込めていこうと思います。

Kindle配信のハードル

電子書籍配信について、今回懸念していたのはKindleの審査でした。本のタイトルに「Kindle」と入れると審査が通りにくくなる、という話を以前目にしていたのでサブタイトルにも入れない形にしました。それでも、本の内容が一部Kindle批判だったり、あきらかにamazonが意図するものとは違った指南もあるでの、ひやひやものでしたが、

印刷用の入稿を済ませた直後にKDPにて大急ぎで電子書籍の配信の手続きをとったら、あっさり配信が承認されたので一安心でした。

これを「無料マンガ」にしてないのは

実はこの本自体を「インディーズ無料マンガ」に登録することも考えたのですが、残念なことに「無料マンガ」の登録の規定に「ひとつのシリーズに有料と無料を混ぜてはいけない。有料配信した本を『無料マンガ』に移してはならない」というものがありました。シリーズの連続性をとるか無料登録をとるかの選択をせまられて、シリーズの方を選んだ次第です。

公式はどう来るか

25日のComitia126では、もしかするとAmazonが「無料マンガ」を広報するチラシを用意して配布してくるかもしれず、そうなれば今回のうちの本は同じテーマでバッティングするなぁ…、などと想像しています。ただ、そうなれば同じテーマを公式実ユーザーの双方の視点からプレゼンする形になるので、それはそれでどうなるか見ものです。

なにせアップツーデートなテーマを扱った今回の本なので、いろいろどう反応がかえってくるかワクワクしている次第です。

 

 

 

第8回いっせい配信企画「創作同人2018年11月」

8回目の開催

11月3日(文化の日)に第8回目の創作同人電子書籍の「いっせい配信」企画「創作同人2018年11月」が実施されます。BOOK☆WALKER 、Amazon Kindle、Pixiv BOOTH、その他の電子書籍ストアにてこの日の前後に作家が自ら配信する電子書籍が数多く発売されます。

 

 

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第8回のいっせい配信についてはちょっとこれまでより広報に力を入れてみました。これまでは「企画エントリーの要綱」をモノクロで印刷したチラシを作るのみでしたが、今回は上の「看板娘(Koboちゃん)」イラストをカラーで刷ったチラシを用意しました。

そのチラシは8月の東京コミティア、9月のMGM2.0、10月の関西コミティア・名古屋コミティア・新潟コミティアにてチラシ置き場に置かせていただきました。費用や人手はあまり掛けられないので全スペース配布ができたのは新潟コミティアのみですが、少しでも企画の存在が知れ渡ればと願うばかりです。 

 現時点で企画には17名の作家の合計25作品の配信登録が確認されており、さらにエントリーは増える模様です。これらの本は現時点ですでに予約購入可能です。

 今回もまた新た4名の作家さん…南柯そうさん、山名沢湖さん、いなばさん、早坂千尋さんに企画参加いただける模様です。企画が個々の作家さんの電子書籍活動の一助となることを祈ります。

 

 

 

 

 

 

「まるかふぇ電書」の本

 当方の「まるかふぇ電書」からは今回も、以下の4冊の本が企画エントリーで11月3日に配信されます。興味があるタイトルがありましたら、お好みの電子書籍ストアにてご予約下さい。

 

 

 

 

電子書籍配信に関連する最近の動向

前回の第7回の際の企画紹介記事の際にちょっと言及しましたAmazonが打ち出した新システム「インディーズ無料マンガ」について…4ヶ月も経てば、その新たなシステムの評価も多少固まるのではと思いましたが、いろいろ変化があり、まだまだ予断を許さない状況です。

詳しくは現在、私はツイッター不定期連載をしているマンガ「創作同人電子書籍のススメ」でまとめていく予定です。

 

 

ただ、ひとつ特筆すべき大きな変化として、7月にはランキング上位20名に対して10万円ずつ配布された分配金のルールが変わり、毎月違う人数にもっと多くの金額が分配される形になりました。詳しい人数と金額についてはKindle Direct Publishing内コミユニティ内のKindleからのアナウンスに記載されていますので、興味のある方はご覧ください。

まだまだ流動的な電子書籍自主配信の世界に今後ともご注視ください。

 

第7回いっせい配信企画「創作同人2018年7月」

7回目の開催

7月16日(海の日)に第7回目の創作同人電子書籍の「いっせい配信」企画「創作同人2018年7月」が実施されます。BOOK☆WALKERAmazon Kindle楽天Kobo その他様々な電子書籍ストアにてこの日の前後に作家が自ら配信する電子書籍が数多く出ます。

 

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現時点で企画には15名の作家の合計25作品の配信登録が確認されており、さらにエントリーは増える模様です。これらの本は現時点ですでに予約購入可能です。

今回は以前にも企画参加されて企画を再度活用されている作家さんが多く、また、はじめて電子書籍の配信に乗り出した作家さんが新たに2名加わり、企画が配信活動の普及への一助になっていることを嬉しく思う次第です。


「まるかふぇ電書」の本

 当方の「まるかふぇ電書」からは今回も、以下の4冊の本が企画エントリーで7月16日に配信されます。

 

 

 

 

 興味があるタイトルがありましたら、お好みの電子書籍ストアにて予約して下さい。特に、私としては砂虫さんが出した猫エッセイ漫画「ねこと」がお勧めですので、是非一度チェックを。

電子書籍配信に関連する動向

さて、まだまだ浸透の初期段階にあると言っていいと思われます「電子書籍の自主配信」という活動ですが、最近いくつか驚くことがあったので特筆しておきたいと思います。

まずは以前よりシステムの不良で使えない状況にありましたマグネット.VCが7月31日にサービスを終了することとなりました。

マグネット Publishing サービス終了のお知らせ

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出版業界では電子書籍の配信で最も使われているEPUB形式の漫画データを作成する上で最もビジュアルで分かりやすいシステムとして、以前より私も力を注いで紹介していたマグネットがついになくなります。とくに「パソコンを持ってなくてスマホiPadだけで手軽にEPUB漫画データの作成を試行したい」という作家さんにとっては、これは唯一の手段だったのでとても残念です。

ただ、パソコンを持っていてEPUBデータを簡単に作成したいと思われている作家さんには、他にもいろいろ手段がありますので、今後はそちらをご活用下さい。 

 もうひとつ驚いたニュースはAmazonKindleの中に「インディーズマンガ(無料マンガ)」というシステムを組み入れたこと。 

これまで日本の同人漫画家の世界とはどこか一線を画していた印象だったAmazonがどうやら同人作家の獲得に乗り出してきたようです。 

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  この新システムの新しいポイントはまず2つ

ひとつ目は「はじめて個人配信でKindleに無料の本を登録できるシステムが提供されたこと」。これまでKindleは「無料の本の配信は取り扱わない」というのが基本姿勢でした。しかし、Kindleには個人配信で無料の本はいくつかあります。これらはKindleにて有料で配信登録した後に他のストアで無料で配信し、「他店で0円」になっていることをAmazonに報告することで値段を下げるという裏ルートでした。今回のシステムははじめての「無料本」配信の正式ルートです。

ただし「すでに有料本として配信している本をこれで無料化」とか「一度こちらで無料で公開した内容を収録した本の有料化」は禁止としているようなので、他のストアでの無料化と違って、十分考えて使った方がよさそうです。

もうひとつ新しいポイントは、このシステムでは画像を1枚づつアップロードすることでKindle本が作れること。しかも、このシステムはスマホiPadでも使えます。なんだったらご自身のスマホのフォトアルバムに登録した画像を順番にアップロードして電子書籍に仕立てることもできます。(実際にそうしたと思われる本もいくつか登録されています)出版社が出している本と同じ土俵に自分の本を並べるたい方にとっては最もハードルの低い手段です。

ただし、実は画像を1枚ずつアップロードする際の待ち時間が結構かかるのでまどろっこしいです。30枚以上画像をアップロードする際はepub、mobi等のデータにまとめてからアップロードすることをAmazon側も勧めています。また、epubでアップロードすればできあがったKindle本にシステム側では作成してくれない「理論目次」がつけられます。

 

さて、ここまでは他の個人配信可能なストアでは当たり前についていた「無料配信」の方法にKindleも乗り出しただけの話に思えますが、Amazonはこのシステムで登録された無料本にランキングをつけて、月間の「上位20名」に選ばれた漫画家個人に10万円の分配金を払われるというルールを付け加えました。

こうなると、話の注目度がちょっと違ってきます。漫画を長らく描いているひとならひとつふたつ「これなら無料閲覧に公開してもいい…むしろ読者にお金を払ってもらうのは気がひける」という作品を抱えていることが多い。その作品を登録すればうまくいくと10万円もらえる、…という話です。Amazonはまずこの企画を半年続けるために2000万円の基金を用意しています。

これはいわば、少なくとも半年間出される電子雑誌「月刊漫画Kindle」の創刊です。そして、10万円獲得のために作品を出した作家さんはSNSを駆使してKindleの宣伝を拡散してくれるから「営業いらず」。そう考えるとこの「月刊漫画Kindle」は出版社の各社が出しているものよりも効率がよく、しかも低予算で済む電子雑誌です。

Amazonがどのようなカラクリで儲けるかについてはまた機会を改めて解説したいと思います)

「この波に乗らない手はない」と私も思いました。そこでこのシステムに登録してみたのがこちらの本です。

 実は以前はマグネットで無料公開していたものだった本ですが、マグネットが上記のような状況で、発行から3年も経ってると情報が古くなり、今さら有料では出せないと悩んでいた本でした。マグネットがなくなるので、ちょうど渡りに船でKindleの「無料マンガ」にして、他のストアにも無料本として登録しましたが、はてさてどうなるか。

いずれにせよ、まだまだ流動的な電子書籍自主配信の世界です。今後ともいろいろ注視していきたいと思います。