原稿やイベント等のスケジュールでレポートが遅くなってしまい、申し訳ありません。去る3月20日に第2回いっせい配信「創作同人2017年3月」が実施されましたが、その際の経緯と結果についてまとめたいと思います。
企画のエントリー状況
まず、今回エントリーしました作品の紹介です。表はエントリーが確認された著者のお名前順となっています。
エントリーした作家数は第1回の24人に対して今回は21人、作品数は第1回の40作に対して今回は42作。前回に比べてほぼ横ばいの規模に収まりました。エントリーした書籍に関する詳細は企画サイト内の一覧から見られます。
>https://sousaku-doujin-epub.jimdo.com/いっせい配信作品#創作同人2017年3月
マグネットの不具合
「いっせい配信」の企画は昨年夏の「コミティア同日配信」を含めて今回で3回目といなりますが、企画をサポートする側の対応としては、前回の「創作同人2016年11月」の要領に準じる形で、特に新しい要素は加えず臨ませていただきました。
ところが、それでも思わぬトラブルというものは起きるもので、「いっせい配信日」の10日前に、私の方にマグネットの不具合の一報が届きました。
企画では以前より「最も配信初心者に易しく、電子書籍読者が安心できる品質」の電子書籍配信として「マグネットでepubデータを作成→B☆Wに配信登録」という手順を推奨していました、マグネットの不具合はその肝心の「epubデータ」が生成できない、という状況のものでした。
急遽、方々に問い合わせたところ、その不具合の解消は「第2回いっせい配信」に作家さんたちがエントリーする時期に間に合いそうにないことが判明。そこで、企画の公式アカウントからは以下のような呼びかけを発信させていただいた次第でした。
この呼びかけに対して、3名の作家さんより連絡があり、その後は個々とのやりとりで、うち2名は私が代行でepubデータを作成して、残り1名は自力で別のepub作成手段を習得されて、無事にエントリーに漕ぎつかれました。
また、この件については以前、マグネットの改善について口を利いていただいたB☆Wに情報共有しましたところ、B☆W側は「第2回いっせい配信」にエントリー予定の作家さんへの配慮を下さり、本来の登録期限より遅い登録でも3月20日配信の段取りをつけて下さいました。そこで、3月13日に企画アカウントより以下のような告知も出させていただきました。
おかげさまで、今回は合計18名の作家さんがB☆Wでの配信にこぎつけることができました。
マグネットは現時点(5月10日)もシステムがまだ「万全な状態」には復旧していないのですが、実は3月15日頃の時点で騙し騙し使えば「epubデータの生成」まではできる状態に復旧していました。
ただ、この不具合でもしかすると数名の作家さんが「第2回いっせい配信」へのエントリーを見送れられていたかもしれませんので、この先の「いっせい配信」でも同様なトラブルを回避すべく、代替手段の提唱なども行う方がいいのかもしれません。
B☆Wには上記の企画参加のための配信登録期限の延長以外に、今回も前回の「2016年11月」に引き続きB☆Wでエントリーした作品一覧を掲載したページをストア内に用意していただき、書籍価格の20%のコインを還元するキャンペーンを開催いただきました。
ちなみに、コインバックキャンペーンが適用されて販売された書籍のロイヤリティは通常の場合と同じく「(書籍価格ー消費税)の50%」が払われ、読者が取得するコインはB☆W側の取り分からの出費になっています。だから、毎回のキャンペーンの開催には「いっせい配信企画」に寄せるB☆Wの期待の大きさを感じざるおえません。
余談ですが、今回のエントリー一覧ではBELNE先生が「蒼の男シリーズ」を合計8冊を一気に出されていますが、実は先生が2月のCOMITIA119にてB☆Wの企業ブースに紙書籍を提出されていました。
B☆Wは先日の「COMITIA120」と「第二十四回文学フリマ東京」でもブースを出されており「スキャン→EPUB化→配信」のサービスを提供されていました。次の日曜の5月14日の「関西コミティア50」にもブースが出される模様です。
その後のブース出し予定は未定のようですが、さしあたって、自分が参加しているイベントにB☆Wのブースが出ていれば、手持ちの同人誌を一冊持って、書類を埋めれば、もっとも簡単な形で電子書籍配信がはじめられます。
また、イベント当日に差し出す本が手元にない場合も後日に郵送して配信依頼ができる封筒をブースで配布していますので、その封筒だけでも入手されておくといいかもしれません。
いっせい配信の結果
「いっせい配信」の配信日前後は、今回もまた企画参加の作家のみなさんが、エントリーした書籍について、あるいは企画そのものについての情報を発信して、この企画「#創作同人電子書籍」のハッシュタグでtwitterをにぎわせて下さいました。
画像つきのツイートを発信された作家さんのツイートを今回も企画サイト内に取りまとめましたのでご覧下さい。>創作同人2017年3月広報画像 - 「創作同人電子書籍」いっせい配信企画
その結果として販売の推移については、各作家自身は各自の状況をご存知だと思いますが、それを私を含めて他者が確認できる方法はないので、あくまで参考のために、私自身が自分と砂虫さんの本を売ってる「まるかふぇ電書」の今回のエントリー本のグラフをお見せしたいと思います。
販売のほとんどはAmazon KindleとBOOK☆WALKERに集中しました。Kindleは初日のみに売り上げが大きく伸び、4月に入ってからも低いピッチながら販売が続く形になりました。他方、B☆Wは初めの数日間は好調である一方でキャンペーンが終わった29日以降は売れ行きがぱったりと 止まりながらも、Kindleとほぼ互角の販売成績を見せました。
徐々にではありますが、個人出版の電子書籍配信事業では先行していたKindleにB☆Wもキャンペーンなどの打ち出しで並んできた状況が伺えます。
また、販売に関して今回の私が特に注目したのはKindleでの登録でエントリーされていた八木ナガハルさんのこちらのツイートでした。
早くよりKindleでの自主配信活動に参加していて、すでにそちらのSFコミックのジャンルでは一目おかれる存在だった八木さんでしたが、商業出版までも含めたランキングで3位は、ちょっと目を見張る成果だったと思われます。
先日、八木さんはひきつづき、5月コミティアの新刊本の電子書籍配信を第3回いっせい配信の「創作同人2017年7月」にエントリーされることを表明されました。
今後の進行
結果としては昨年11月の第1回とほぼ同じ状況だった第2回ですが、 徐々に知名度は上がることでその効果も広がっていくものと思われます。そんなわけで、今後も年4回ペースを目処に「いっせい配信」を続けていきたいと考えます。
「いっせい配信日」はなるべく、創作同人で活動の作家が忙しいコミケや東京コミティアの間際は避けて、覚えやすい日程として「祝日」に設定する形で考えています。
第3回以降の日程は以下の通りです。
- 2017年7月17日(海の日) 第3回いっせい配信「創作同人2017年7月」
- 2017年9月23日(秋分の日) 第4回いっせい配信「創作同人2017年9月」
- 2017年11月3日(文化の日) 第5回いっせい配信「創作同人2017年11月」
ちなみに、第5回は以前は11月23日の「勤労感謝の日」を検討していましたが、COMITIA122の日程がこれに被ってきましたので、昨年と同じ「文化の日」に設定しなおしました。
そんなわけで、今後ともこちらの企画をどうぞよろしくお願いします。